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役に立たない?ゲームレビュー 第二回

  • 2006/12/25 19:55
  • カテゴリー:ゲーム

任天堂の転換点はポケモンであるという人もいますが
私はマリオカート64がそれに当たると思っています。
スマブラを始めとする大人数で楽しめるゲームを作る
という任天堂の方向性を決定付けました。
マリオカート64はその原点として優れた完成度を誇っていました。
ただ発売前は
「4人対戦か、凄いな。」とか「64はマルチタップを使わなくてもいいから便利だな。」
程度にしか思っていませんでした。
蓋を開けてみれば大人数で楽しむ面白さというものに多くの人がハマる事に。
現在でも接客ゲームの定番として稼動している人もいるのではないでしょうか。


正直言って一人用のゲームとしての完成度はそれほどでもないです。
その面ではSFC版のほうが完成度が高いでしょう。
確かにコースの仕掛けは豊富になりましたが総数が減りボリュームという面では物足りない所があります。
おまけもキノピオハイウェイが新鮮(&激ムズ)だった程度でそこまで面白いものではありませんでしたし。
また、COMに差をつけようとすると通常ではありえない猛スピードで追っかけてきます。
常に緊迫感を持ったレースにしたいというのは分かりますが
ゴボウ抜きにする爽快感が薄れてしまったのは頂けません。
グランプリを終えたら後はタイムアタックの出番となるわけなのですが・・・ショートカットが。
マリオサーキット・ワリオスタジアム・レインボーロードを代表的でしょうか。
恐らくこれは製作者の意図しない物だったのでしょう。
ただ、レースゲームという事を考えるとこれはどうかと思います。
下手な私では安定してこれらの技を使うことなどできず
タイムアタック自体に無意味さを感じやめてしまいました。
対戦でもこの技を使うと白けますし。
操作が簡単になりやり込み甲斐が少なくなったという話も聞きます。
前作ではなかなか操作に慣れなかった私ですら
今作はゲーム開始直後からスムーズに走行できました。
上級者にとってはそれ相応のカタルシスが味わえないのも問題だと思います。

他にも細かい点では

・キャラ差が少なく個性が無い。
・グランプリの途中で残機制限が無いのが良くない。
・レインボーロードでガードレールが付いたのはヌルイ。

端的に言えば前作の持ち味であったストイックさが削られてしまったのが大きな要因といえます。


このように一人用として見てみれば決して褒められる出来ではありません。
しかし、このゲームの真骨頂といったら何と言っても対戦。
この観点から見てみると一人用で挙げてきた欠点も大きく変わってきます。

・操作性
誰でも楽しめるゲームという点ではこの簡略化は正解でしょう。
普通に走行する事すらできないという人は恐らくいないと思います。
アイテムの存在で多少の技術力はすぐ挽回できますし。
使用するボタンの量も多くありませんしまさにパーティーゲームに特化したと言えます。

・キャラ性能
差があまり無くなりましたが突き詰めていけばバランスは練られています。
一般的には軽量級が最強と言われていますが
タイムアタックはともかく他のプレイヤーがいる対戦ではそうはいきません。
当たり弱いため中量級以上が近くにいると細心の注意を払わなくてはならないのですよね。
バトルモードでは尚更の事。
コース上の仕掛けにも弱い事もあり万能キャラと言うわけではありません。
それでもこの加速性能は重量級に対しての大きなアドバンテージになっているのかなと思ったり(汗)。
重量級では歯が立たないというわけではないのですが。
その重量級が輝くのはバトルモード。
当たりの良さに魅力を感じ選んでいる人も多いのではないでしょうか。
ただ、加速性能が悪くダウンした所に連続攻撃を喰らう時も多々あります。
軽量級ではその逆ですので攻撃力を取るか、機動力・防御力を取るかといった感じです。
このように見ていくと、どのキャラにも大きな長所・短所があり最適・最強キャラがいません。
「プレイヤーの腕で○○一択」というのが無いのは結構凄い事ではないでしょうか。
ただ、個人的にはこうした事はバランス調整というよりも
「パーティーゲームだから好みのキャラクターを使って欲しい」
という製作意図があるのかなと思います。
実際に私はヨッシーというキャラが好きなので性能関係無く使っていました。
他の人も好きなようですのですぐに取り合いになりますが(笑)。
逆に不人気はドンキーとキノピオ。
ルイージはコアなファンがいるのか結構人気があります。


次に対戦モードとバトルモードの中身について見ていく事に。
対戦モードでは上記の操作性と絶妙に調整されたアイテムのおかげで
あるプレイヤーだけがずっとトップということが余りありません。
トップの回数の差は出てきますが、全く1位になれずつまらないという不満が出る事は少ないです。
この事に関しては不思議なコースを走っているだけでも満足だという
キャラとプレイヤーの一体感もあるかもしれません。
キャラのボイスもプレイヤーの心を表したものが多くナイス。
マリオ64でも語りましたがハード性能の向上を上手く生かした形ですね。
レース中はアイテムの存在がプレイヤーを大きく盛り上げています。
下位のプレイヤーは良いアイテムが頻繁に出るので1位で独走していても気が抜けない。
今作ではトゲ付き甲羅のように1位を集中的に攻撃するアイテムもあります。
下位で上位の目が無くなっても上位争いを邪魔するという点では重要な役割を担う事に。
無駄なプレーというのがあまり無いのが面白い所です。
その上アイテムの使い方にも戦略性が増しました。
たとえばイナズマですが、これを喰らったプレイヤーはワリオスタジアムやピーチサーキットなどで存在する
坂道ジャンプを渡りきる事ができません。
よって、そのコースではイナズマを無効化にするスターとテレサはすぐに使わず温存しておくという手も考えられます。
トゲ付き甲羅にいたっては発射をせず尻にくっつけたまま攻撃。
1位になった時の他のプレイヤーからのトゲ付き甲羅からの防御手段として使う事があります。
間違ってZボタンを離してしまうと自爆してしまいますが。
そういった事も周りを盛り上げるのに一興(笑)。
これは欠点ではありますが3人対戦以上の時はBGMがなりません。
プレー中「どうしてBGMがならないんだろう。」と突っ込んだ人がいましたが
「プレイヤーの声が既にBGMだから別に良い。BGMがあると逆に邪魔。」
と返したのが印象的です。
聞いてみればなるほどと思います。
考えてみればこのゲームの対戦中に台詞が出なかった事はほとんどありません。
歓声や溜息、悲鳴みたいなものを必ず誰かが叫んでいた気がします。
BGMが無いおかげでそれが一層強調されていました。
技術的にはBGMが付いても問題ないと思いますから意図的に外したのでしょう。
賛否両論がある点ですがこういう効果を狙ってやった任天堂恐るべし。
画面4分割の見難さは最初のうちは指摘されていましたが
段々気にする人がいなくなったような気がします。
最初は戸惑いましたが別にプレーに支障が出るほどの物ではなかったです。
そういった意味ではこれは偉大な取り組みとなのかもしれません。
後のゲームでもこれがスタンダードになった節がありますし。

今度はバトルモードについて語ってみましょう。
前作では大して差のなかったコースですが
今作では個性豊かなものとなり非常に楽しめるものとなっています。
戦略性も高まり1つのモードとして完成された感じが。
一番面白かったのはブロックとりでですね。
プレイヤーの性格が滲み出るので趣き深いです。
個人的には黄色地帯の上り坂にバナナを仕掛けるというバレバレな手をよくやったり。
あと、私もそうですがむやみやたらに緑甲羅×3を発射するひとも多かった。
そうすると一番下の段が修羅場と化すんだよ!(爆)
逆にあまりやらなかったのがダブルデッキ。
無駄に時間が掛かってあまり楽しくなかった気がします。
バトルモードの一番の注目点といえば失格になったキャラが爆弾カートになれる事でしょう。
ボンバーマンでもみそボンというシステムがありましたが
対戦時間の長いこのモードでは思った以上に機能していると思います。
トップ回数が多いプレイヤーを狙ったり、
気に障る発言をしたプレイヤーに狙ったりと様々な楽しみ方があります。
逆に生きているプレイヤーから狙われるというシステムも面白い所。
よってたかって他のプレイヤーが爆弾カーをクラッシュさせる光景は苛めです(笑)。
挙句の果てにはスターで体当たりされて消されたりと。
その時のプレイヤーの表情といったら最高ですね。
完全に無敵ではないのがゲームの幅の広がりを見せていると思います。
これによって爆弾カー側にも緊張感が生まれていますから。
このように前作に比べてボリューム満天の内容になりましたが
逆にシンプルさが失われたという声も。
個人的にはそういったコースをもう少し増やしても良いと思いますけどね。
あと、対戦モード以上にプレイヤーの位置関係が把握しにくいという欠点もあります。
全体マップはありますが分かりやすいものではないのでもう少し調整して欲しかった面です。
面白さが損なわれるほどのものではありませんが。


任天堂にしては非常に荒さが目立つ作品です。
これらはハード性能的な問題ではなく作りこみの甘さから来るものだと思いました。
しかし対戦では時間を忘れてプレーしてしまうほど面白い。
上記の欠点がありながらもゲームとして純粋に面白い、ひたすら熱くなれるというものがあるからなのでしょう。
こういった事はSNKの餓狼伝説スペシャルに通じる所があると思います。
あのゲームも決してキャラバランスが良いゲームではありません。
その上COM戦の酷さは目に余るものがあります。
それでも多くの人に愛され今ではSNKのベストゲームの1つとされています。
それは純粋にキャラを動かしていて楽しい・演出が当時としては最高峰というのがあるのでしょう。
対戦ツールとしてではなく一つの作品として多くの人を魅了してきました。
私はマリオカート64には任天堂らしくない、むしろかつてのSNKが抱える面白さが感じられました。

こうして人々4人対戦の面白さが広く伝わっていき
それを標準にするゲームが多くなりました。
任天堂はこのゲームの方向性をさらに発展させスマブラやマリオパーティーといった作品を生み出す事に。
64のコントローラー接続部分が4個あるのもこの流れを見越したものなのでしょうか。
任天堂の先見性は大したものです。
尤もこの影響でボンバーマンや桃太郎電鉄といったシリーズは
肩身が狭くなったのかもしれません。

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