はじめての遠隔複写サービス
もはやライフワークになりつつある須賀京太郎が登場する同人誌の調査。
現在は駿河屋のサイトで検索をかけて新しい作品がないか定期的に調べています。
その中には駿河屋では在庫切れであるものの、国会図書館には既に登録されている作品もあります。
しかし、首都圏にいた頃ならともかく、F県に住んでいる現状では現地に向かい
直接資料を確認するのは容易ではありません。
そのためだけに安くはない交通費を払って東京に行くのも気が引けます。
ですが、少し前に
「それなら遠隔複写サービスを利用すればいいのでは?」
という考えが思いつきました。
図書の複写範囲は『著作物の半分まで』という制約はありますが、それだけでも十分です。
実は遠隔複写サービスについては以前から興味はありました。
ただ、中身が分からない資料でサービスを利用するのは少し不安であったため及び腰になっていました。
失敗して無駄な費用が発生するのも嫌でしたし。
それでも、色々悩んだ結果、
「ダメならダメで日記のネタにすればいい。とりあえずやってみよう」
という結論になり遠隔複写サービスの利用を決めました。
そして今回依頼したのは下記の同人誌です。
1. のどっち脱衣雀(ぷれあDeath/むつらすばる)
2. 和-Nodoka- でうふふ(きゃっきゃうふふ/秋津しの)
3. のどっちの麻雀日和(Twinkle star chocolate/高野りんね)
4. 一気通貫(推定部員/明音そーいち、苺大福/白咲深雪)
この中で京太郎の登場が確定している作品は1だけです。
2と3の作品に関しては中身が全く分からないためギャンブルになります。
なお、4は以前に私が寄贈した作品で京太郎は出てきませんが、
個人的に欲しいページがあったのでついでに依頼しました。
ちなみに思いっきり話が脱線してしまいますが、のどっち脱衣雀については
5月上旬にヤフオクで出品されていました。
当然私も狙っていていつも通り終了時間の20秒前に入札を試みる。
「これで落札できただろう」と思いきや、数秒後に高値更新の連絡が入ってしまう。
ウォッチリストでもう1人いたのは知っていましたが競合するのは完全に予想外でした。
相手は一歩も引かない入札者で商品金額が高くなる一方に。
結局、現在価格が\1,100になった所でここまでは出せないと諦め手を引きました。
相手の入札者はこの作品に対して並々ならぬ強い情熱を持っていらっしゃったのでしょうか、謎です。
熱くなって相場を考慮しなかった可能性もありますが。
閑話休題。
早速、依頼を掛けようと作品の書誌詳細を開きましたが、
ページの右上に『[複写用]記事掲載箇所調査』というボタンがある事に気が付く。
まずは本文が始まるページを調べて頂いてからの方がいいという事で、はやる気持ちを抑え依頼しました。
しかし、翌日の午前中、
「タイトル名と記事名等が判明していますので、掲載箇所確認を行わずに、直接複写をお申し込みください。
ページ番号を指定しなくても、複写をお申し込みいただけます」
というメールが届きページの調査を謝絶されてしまう。
仕方がないのでそのまま4件の資料の遠隔複写を依頼する事に。
そして依頼してから8日後、国会図書館より下記のような連絡が入りました。
のどっち脱衣雀以外は謝絶されてしまいました。
その内訳は下の画像になります。
4件中3件が謝絶されるという悲しい結果に。
通った1件は既に複写作業が始まっていましたのでキャンセルする事はできません。
あらかじめ備考欄に『見積り希望』と記載しておけば良かったです。
次回からは気を付けましょう。
国会図書館の連絡から3日後、唯一受付されたのどっち脱衣雀の件の
発送準備完了についてのメールが入る。
そしてこのメールから更に数日後、自宅にこのような封筒が届きました。
差出人の名称が『複写受託センター』です。
今回の遠隔複写サービスの件に違いありません。
封筒を開封して中身を確認しましょう(写真では既に開封していますが)。
資料のコピーは申込書の控えと一緒にビニール袋に入っていました。
更に中身を見ていきます。
一応『行方はいつもナックルボール』は健全なサイトです(本当かよ)。
これはまずいと思った箇所にはモザイクをかけました。
特に5ページ目はとてもお見せできる内容ではなかったのでほぼ全ての箇所にモザイク処理を施しています。
果たして国会図書館の方はどのような思いでこの作品の複写作業を行ったのでしょうかねえ。
成人向け作品の作業は日常茶飯事だと思うので、特に何も感じずに作業しているのかもしれません。
添付されていた複写明細書と請求書です。
料金は後払いですので複写品の到着後に支払う必要があります。
支払期限は20日後と長いですが、放置する理由もないので早急に必要金額を支払いましょう。
支払方法は記載されている通りコンビニ決済と銀行振込、郵便局での払込機能付きATMがあります。
ですが、用紙には記載されていませんがコンビニ決済ですと払込手数料として
\110(だったはず)が必要になります。
各自手数料が一番安くなる方法で入金しましょう。
初めての遠隔複写サービスという事もあり反省点が数多くありました。
それでも、今回のやり取りから国会図書館の遠隔複写サービスの仕様が何となく分かってきました。
また、一気通貫に関しては後日ヤフオクで出品されていたのを落札し再入手しました。
実物と謝絶理由を照らし合わせて気が付いた点もあります。
ひとまず私が把握できた遠隔複写サービスの仕様は下記になります。
1. 遠隔複写を行う際の資料の中身は表表紙・標題紙・目次・前書き・本文・後書き・奥付・裏表紙などに細分化される
2. 複写可能な『著作物の半分』は資料全てに対する半分という意味ではない
『表表紙・標題紙・目次・前書き・後書き・奥付・裏表紙』など(本文以外)の半分と『本文』の半分
3. ページ下部にページ数が記載されていない資料は確実に謝絶される
4. 1つの資料でも異なる作者の作品(本文)が複数入っている場合は別の著作物として扱われるため、
それぞれの半分の本文しか複写できない
5. 図書の複写ページには制限があるが雑誌については一定期間が経過すればページ数の制限がなくなる
1と2については、私は当初、複写可能範囲は資料全体の半分のページという意味で捉えていました。
しかし、実際には上記のルールがあり、表表紙からそのまま半分のページを複写する事はできません。
必要な個所を事前に決めておきましょう。
『標題紙』というのがどの箇所か分かりにくいですが、同人誌の場合は下の写真の左側のページになります。
図書を開いた直後に出てくるタイトルが記載されているページですね。
説明するまでもないと思いますが奥付の箇所についても念のため説明します。
図書の最後の方にある、記載されている著者や発行者、発行日が記載されているページです。
下の写真ですと右側のページがそれに該当します。
基本的に巻末に存在しますが、商業誌では他作品の宣伝が入る事もあるのでそこが必ず奥付になるとは限りません。
手元の雨のティアラなんてノベル大賞の募集ページになっていますし。
3については私の今回の依頼からほぼ間違いないと思います。
実際、唯一依頼が受け付けられたのどっち脱衣雀には下部にページ数が入っていました。
また、謝絶された一気通貫も資料にページ数が入っていたため、
謝絶理由に『複写箇所を特定できませんでした』という記載がありません。
中身が分からない資料の場合は、前述の通り備考欄に『見積り希望』と記載しておくべきでしょう。
そうすれば、仮にページ数が不明な図書でも謝絶理由で本文のページ数が連絡されるので、
それに従って再度依頼をすれば目的の複写物を入手できるはずです。
4については一気通貫の謝絶理由(3枚目の画像)の通り、
違う作者の本文は1つの資料に入っていても別の著作物として扱われます。
(同じ作者の別作品については不明)
そのため、著作物のページの割り当てが半分ずつになっていても、
片方の作品だけ全ページ複写を依頼する事はできません。
合同誌やアンソロジーにとっては本当に終わっているとしか言えないルールですね。
これらについては国会図書館に直接足を運び中身を確認するしかありません。
5については公式サイトにも掲載されていますが一応ここで説明します。
Comic REX 2006年12月号の記憶する幻想郷の複写に制限がないのはこのためです。
そういえば、Twitterの書き込みで多くの方にご覧頂いた影響で、資料自体が劣化している
という話を耳にしました(URL失念)。
今後も複写を希望される方が数多くいらっしゃると思うだけに気になります。
国会図書館の職員の方の資料に対する修理・修復技術を信じたい所ですが…
多くの内容を学ぶ事ができた1回目の遠隔複写サービス。
ただ、『和-Nodoka- でうふふ』と『のどっちの麻雀日和』については
この時点では複写物をまだ入手できていません。
そのため、今回の複写物の確認後、再度上記の資料について複写依頼をかけました。
その紹介についてはまた次回という事で。
続きます
現在は駿河屋のサイトで検索をかけて新しい作品がないか定期的に調べています。
その中には駿河屋では在庫切れであるものの、国会図書館には既に登録されている作品もあります。
しかし、首都圏にいた頃ならともかく、F県に住んでいる現状では現地に向かい
直接資料を確認するのは容易ではありません。
そのためだけに安くはない交通費を払って東京に行くのも気が引けます。
ですが、少し前に
「それなら遠隔複写サービスを利用すればいいのでは?」
という考えが思いつきました。
図書の複写範囲は『著作物の半分まで』という制約はありますが、それだけでも十分です。
実は遠隔複写サービスについては以前から興味はありました。
ただ、中身が分からない資料でサービスを利用するのは少し不安であったため及び腰になっていました。
失敗して無駄な費用が発生するのも嫌でしたし。
それでも、色々悩んだ結果、
「ダメならダメで日記のネタにすればいい。とりあえずやってみよう」
という結論になり遠隔複写サービスの利用を決めました。
そして今回依頼したのは下記の同人誌です。
1. のどっち脱衣雀(ぷれあDeath/むつらすばる)
2. 和-Nodoka- でうふふ(きゃっきゃうふふ/秋津しの)
3. のどっちの麻雀日和(Twinkle star chocolate/高野りんね)
4. 一気通貫(推定部員/明音そーいち、苺大福/白咲深雪)
この中で京太郎の登場が確定している作品は1だけです。
2と3の作品に関しては中身が全く分からないためギャンブルになります。
なお、4は以前に私が寄贈した作品で京太郎は出てきませんが、
個人的に欲しいページがあったのでついでに依頼しました。
ちなみに思いっきり話が脱線してしまいますが、のどっち脱衣雀については
5月上旬にヤフオクで出品されていました。
当然私も狙っていていつも通り終了時間の20秒前に入札を試みる。
「これで落札できただろう」と思いきや、数秒後に高値更新の連絡が入ってしまう。
ウォッチリストでもう1人いたのは知っていましたが競合するのは完全に予想外でした。
相手は一歩も引かない入札者で商品金額が高くなる一方に。
結局、現在価格が\1,100になった所でここまでは出せないと諦め手を引きました。
相手の入札者はこの作品に対して並々ならぬ強い情熱を持っていらっしゃったのでしょうか、謎です。
熱くなって相場を考慮しなかった可能性もありますが。
閑話休題。
早速、依頼を掛けようと作品の書誌詳細を開きましたが、
ページの右上に『[複写用]記事掲載箇所調査』というボタンがある事に気が付く。
まずは本文が始まるページを調べて頂いてからの方がいいという事で、はやる気持ちを抑え依頼しました。
しかし、翌日の午前中、
「タイトル名と記事名等が判明していますので、掲載箇所確認を行わずに、直接複写をお申し込みください。
ページ番号を指定しなくても、複写をお申し込みいただけます」
というメールが届きページの調査を謝絶されてしまう。
仕方がないのでそのまま4件の資料の遠隔複写を依頼する事に。
そして依頼してから8日後、国会図書館より下記のような連絡が入りました。
のどっち脱衣雀以外は謝絶されてしまいました。
その内訳は下の画像になります。
4件中3件が謝絶されるという悲しい結果に。
通った1件は既に複写作業が始まっていましたのでキャンセルする事はできません。
あらかじめ備考欄に『見積り希望』と記載しておけば良かったです。
次回からは気を付けましょう。
国会図書館の連絡から3日後、唯一受付されたのどっち脱衣雀の件の
発送準備完了についてのメールが入る。
そしてこのメールから更に数日後、自宅にこのような封筒が届きました。
差出人の名称が『複写受託センター』です。
今回の遠隔複写サービスの件に違いありません。
封筒を開封して中身を確認しましょう(写真では既に開封していますが)。
資料のコピーは申込書の控えと一緒にビニール袋に入っていました。
更に中身を見ていきます。
一応『行方はいつもナックルボール』は健全なサイトです(本当かよ)。
これはまずいと思った箇所にはモザイクをかけました。
特に5ページ目はとてもお見せできる内容ではなかったのでほぼ全ての箇所にモザイク処理を施しています。
果たして国会図書館の方はどのような思いでこの作品の複写作業を行ったのでしょうかねえ。
成人向け作品の作業は日常茶飯事だと思うので、特に何も感じずに作業しているのかもしれません。
添付されていた複写明細書と請求書です。
料金は後払いですので複写品の到着後に支払う必要があります。
支払期限は20日後と長いですが、放置する理由もないので早急に必要金額を支払いましょう。
支払方法は記載されている通りコンビニ決済と銀行振込、郵便局での払込機能付きATMがあります。
ですが、用紙には記載されていませんがコンビニ決済ですと払込手数料として
\110(だったはず)が必要になります。
各自手数料が一番安くなる方法で入金しましょう。
初めての遠隔複写サービスという事もあり反省点が数多くありました。
それでも、今回のやり取りから国会図書館の遠隔複写サービスの仕様が何となく分かってきました。
また、一気通貫に関しては後日ヤフオクで出品されていたのを落札し再入手しました。
実物と謝絶理由を照らし合わせて気が付いた点もあります。
ひとまず私が把握できた遠隔複写サービスの仕様は下記になります。
1. 遠隔複写を行う際の資料の中身は表表紙・標題紙・目次・前書き・本文・後書き・奥付・裏表紙などに細分化される
2. 複写可能な『著作物の半分』は資料全てに対する半分という意味ではない
『表表紙・標題紙・目次・前書き・後書き・奥付・裏表紙』など(本文以外)の半分と『本文』の半分
3. ページ下部にページ数が記載されていない資料は確実に謝絶される
4. 1つの資料でも異なる作者の作品(本文)が複数入っている場合は別の著作物として扱われるため、
それぞれの半分の本文しか複写できない
5. 図書の複写ページには制限があるが雑誌については一定期間が経過すればページ数の制限がなくなる
1と2については、私は当初、複写可能範囲は資料全体の半分のページという意味で捉えていました。
しかし、実際には上記のルールがあり、表表紙からそのまま半分のページを複写する事はできません。
必要な個所を事前に決めておきましょう。
『標題紙』というのがどの箇所か分かりにくいですが、同人誌の場合は下の写真の左側のページになります。
図書を開いた直後に出てくるタイトルが記載されているページですね。
説明するまでもないと思いますが奥付の箇所についても念のため説明します。
図書の最後の方にある、記載されている著者や発行者、発行日が記載されているページです。
下の写真ですと右側のページがそれに該当します。
基本的に巻末に存在しますが、商業誌では他作品の宣伝が入る事もあるのでそこが必ず奥付になるとは限りません。
手元の雨のティアラなんてノベル大賞の募集ページになっていますし。
3については私の今回の依頼からほぼ間違いないと思います。
実際、唯一依頼が受け付けられたのどっち脱衣雀には下部にページ数が入っていました。
また、謝絶された一気通貫も資料にページ数が入っていたため、
謝絶理由に『複写箇所を特定できませんでした』という記載がありません。
中身が分からない資料の場合は、前述の通り備考欄に『見積り希望』と記載しておくべきでしょう。
そうすれば、仮にページ数が不明な図書でも謝絶理由で本文のページ数が連絡されるので、
それに従って再度依頼をすれば目的の複写物を入手できるはずです。
4については一気通貫の謝絶理由(3枚目の画像)の通り、
違う作者の本文は1つの資料に入っていても別の著作物として扱われます。
(同じ作者の別作品については不明)
そのため、著作物のページの割り当てが半分ずつになっていても、
片方の作品だけ全ページ複写を依頼する事はできません。
合同誌やアンソロジーにとっては本当に終わっているとしか言えないルールですね。
これらについては国会図書館に直接足を運び中身を確認するしかありません。
5については公式サイトにも掲載されていますが一応ここで説明します。
Comic REX 2006年12月号の記憶する幻想郷の複写に制限がないのはこのためです。
そういえば、Twitterの書き込みで多くの方にご覧頂いた影響で、資料自体が劣化している
という話を耳にしました(URL失念)。
今後も複写を希望される方が数多くいらっしゃると思うだけに気になります。
国会図書館の職員の方の資料に対する修理・修復技術を信じたい所ですが…
多くの内容を学ぶ事ができた1回目の遠隔複写サービス。
ただ、『和-Nodoka- でうふふ』と『のどっちの麻雀日和』については
この時点では複写物をまだ入手できていません。
そのため、今回の複写物の確認後、再度上記の資料について複写依頼をかけました。
その紹介についてはまた次回という事で。
続きます