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隣接する恐慌と憤怒

  • 2018/11/06 23:27
  • カテゴリー:その他
女性客と運転手が殴り合い、バス転落13人死亡


数日前に中国で先月発生した悲惨な事故。
YouTubeにはテレビ朝日による動画もあります。
原因が原因だけに本当にやりきれないです。
発端となった当事者は既に他界しているため怒りのやり場もありません。


この映像を見てからどうすれば良かったのか自分なりに考えました。

1.乗り過ごした乗客が次のバス停で降りた後、目的地に着けるルートを再度考える

2.乗客が信号などでの停止中に低姿勢で運転手に降ろしてもらえないかお願いする

3.殴られた運転手は恥を忍んでその場で乗客を降ろす

これらの事ができれば無関係な乗客を巻き込んだ事故は発生しなかったと思います。
4番目の選択肢として『他の乗客が喧嘩を止める』というのも考えました。
ただ、喧嘩が始まった時点で止めようとしても恐らく間に合わなかったでしょう。

全ては乗り過ごした乗客がパニックになり冷静な判断ができなくなった事が始まりです。
そして、殴られた運転手もブレーキを踏むどころか片手で応戦し、
挙句の果てにはハンドルを思いっきり回すほどヒートアップ。
ハンドルを極端に回したのは殴った乗客を威嚇するためだと思います。
実際、運転手が回した時は何の妨害も受けていません。

私はTwitterやヤフコメ連中のように中国人の気質から事故が発生したとは微塵も思いません。
このようなショッキングでありえない原因だったがゆえに世界的に報じられるのではないでしょうか。
実際、私が政治や経済、スポーツ以外のニュースを数日間考え続けるなんて非常に珍しいです。


今回の事故の教訓は『パニックって怖いな』という事。
また『パニックと怒りという感情は隣り合わせなのだな』という事です。
パニックに陥ると、第三者から見れば全く大したことのない問題でさえ冷静な判断ができなくなります。
そこに怒りという感情が加わればもはや収集がつきません。
自分だけではなく周りも巻き込んでしまいます。

私の好きなマリア様がみてるの9巻(チェリーブロッサム)にこんな話があります。
登場人物の一人である藤堂志摩子の実家はお寺。
通学している高校であるリリアン女学園はカトリック系。
その矛盾した信仰心を志摩子さんは深刻そうに抱えていました。
そんな志摩子さんの肩の荷を下ろすため、みんなはグルになり志摩子さんをヤラセ演劇に誘い出します。
そこでその事実を打ち明けさせるというドッキリ。

BGN(バックグラウンドノイズ)ですね。
当然みんなにとってそれは周知の事実であり、作者のあとがきの言葉を借りるならば

何だ、そんなこと悩んでいたの?

という落ちになる訳です。
しかし、あとがきでも書かれているようにこうした思い込みというのは決してオーバーではありません。
志摩子さんに限らず人間というものは知らない間に深い穴を掘るようにドツボにはまっていきます。

今回の事故で殴った乗客の怒りの原因も他の人から見れば些細な問題でしょう。
次のバス停で降りてそこで考えればいいじゃん、と。
ところが、その乗客が冷静な判断ができなくなった結果、運転手に怒りの感情をぶつけてしまいました。
その運転手も怒りの感情に巻き込まれ一緒になって深い穴を掘ってしまう事態に。
その結末は皆さんご存知の通りごらんの有様です。
無関係の乗客を道連れにして物理的にも深い河へと飲み込まれてしまいました。

交通事故に限らず、事故というのは複数の要因が重なって発生する場合もあるとはよく言われています。
今回の中国の事故はまさにその典型例でしょう。
繰り返しになってしまいますが、私が最初に上げた3つの内の1つでも実行できていれば
あのような大惨事には至りませんでした。
事故が起きても単なる物損事故で済んだと思います。
今回のように対向車や並行車を巻き添えにする可能性も当然ありますが。
(殴ってきた乗客に罪を着せるため、運転手がわざと事故を起こそうとした可能性がありますがそれは置いておきます)


人間の誰もが恐慌と憤怒の感情を持ち合わせています。
『私もこうならないように気を付けよう』と思っても実際に当事者になるとそれは難しいです。
だからこそ、自分という存在から一歩離れて客観的に見る・考える能力が重要なのだと思います。
そうすれば負の感情を爆発させるギリギリの所で踏ん張れるのではないでしょうか。
爆発させて気持ち良くなるのはその瞬間だけ、後にはマイナスの現実しか残らない現実が分かるはずですから。

どのようにすれば防げるようになれるのかは私にも分かりません。
私ができるのは、日常生活のちょっとした事でも自分の頭の中で考え、客観的・冷静に物事を見る力を
養っていく事くらい。
せめて自分で鍛えられる能力は少しでも高めていきたいと思います。

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