狡兎死して良狗烹らる
- 2011/04/28 01:11
- カテゴリー:その他
任天堂の前社長であり現相談役の山内博氏の言葉。
「テレビゲームなんて娯楽でしょ。
生活必需品ならともかく、ないから生きられないというものじゃない。
世界中にいろんな国がありますが、やはり衣食住が足りて、
ゆとりができてから初めて娯楽市場ができあがるわけですから。」(ソース失念)
今までは任天堂の慢心を戒めるためとしてこの言葉を捉えてきました。
しかし、今回の東日本大震災を通して、
その言葉の意味は大きく変わったと思います。
衣食住が不足している状態では、
娯楽というものは真っ先に切り捨てられるジャンルである事。
ネット界隈ではパチンコとゲーセンが槍玉に挙げられていますが、
プロスポーツでさえもその呪縛から逃れる事はできません。
まあ、個人的にはパチンコやゲーセンを叩いて
プロスポーツを擁護する風潮が気に入らないにもありますが。
『その業界で働いている従業員はどうなるんだ』という意見はもっともです。
しかし、人々の生活の余裕がなくなり収入がなくなれば、
職を失うのは自明の理。
誰のせいにもできないでしょう。
自粛といった言葉以前にファンなどが振り向くかどうか。
現に、私は最近は多忙のせいもあり碌にプロ野球を見ていません。
むしろ、ゆっくり見る余裕が無いと言った方が正しいです。
「狡兎死して良犬煮らる。高鳥尽きて良弓蔵わる。敵国破れ謀臣滅ぶ。」
漢の統一に大きな役割を果たした韓信が、
項羽打倒後劉邦に対して吐き捨てた言葉です。
仮にプロスポーツという概念が無くなり(国際戦は残るかもしれませんが)、
名選手が「ただの人」となった時はどのようになってしまうのでしょうか。
故沢村栄治氏のように手榴弾を投げる。
そして―これは行き過ぎかもしれませんが―人体改造と言った
身体能力を悪用した非人道的行為に走らない事をただただ祈ります。