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床屋から学ぶプロ精神

  • 2009/03/28 19:00
  • カテゴリー:日記
以前から髪が長くなり散髪したかったのですが、
お金が無いというどうしようもない理由で行くのを先延ばししていました。
髪だけなら1,000円カットなどでも間に合うのですが、
私の場合は首周りの毛や眉毛が太くなるので安い所ではダメでした。

そして、ようやく給料が出たのでようやく散髪を決意する事に。
ただ、私の住んでいる近くは床屋が山のようにあって困ります。
組合に入っている床屋だけで10近く、
完全に個人でやっている所を含めるともっとあります。
とりあえず、値段と雰囲気を考慮して適当に床屋を探してみる。


1件目:体的に雰囲気がおしゃれ(店員も若い人が多い)で、
    自分に合わない感じと値段が書いておらず不安になったので却下

2件目:店が移転し張り紙も無いので電話してみる。
    しかし、粗暴な対応をされ「忙しいからまた後で」とまで言われ憤慨し却下

3件目:老人と子供ばかりで雰囲気が微妙。店長も素っ気無い人だったので却下

4件目:小さいながら店が非常に綺麗。値段は4,000円と高価だがしっかりした対応だった。ここに決定



と言う訳で、自転車を漕ぐ事1時間近く。
遂に目的の床屋へ辿り着く事ができました。
夫婦で床屋を経営されているようで、
中には子供の遊び道具も結構散らかっていましたが、こういう所の方が逆に気楽な雰囲気があって良いです。
私の地元での行き付けの床屋もそんな感じでした。

店員も話しかけてくる方だったので慣れない地で不安な私にとって最適です。
値段は高いですが、私がして欲しかった所は全てやってくれましたので大満足。
今度からここを行き付けにしよう、と思わせるのには十分でした。
床屋はそう頻繁に足を運ぶ所では無いですから、
多少高くてもこうして安心できる所を選んだ方が良いのは言うまでもありません。

その床屋の主人の方と会話をしているとこんな事が、


主人「床屋は技術の所ばかり注目されていますが、あくまで本分はサービス業ですよ」

N党K.F「そうですね。でも無意識の内に忘れる事もありますね」

主人「後、知り合いの料理人から聞いたんだけど、良い料理店には必ずしも凄い技術は必須ではない。
   盛り付け・雰囲気・接客などの方が大きいって」

N党K.F「分かる気がします。普段は意識はしませんが、知らないうちに味以外の部分で
      行き付けの料理店を決めていますし」

主人「どうせ、料理の味なんて1週間したら忘れちゃうでしょ」

N党K.F「それもそうですね(笑)」

主人「だから自分を技術屋だと勘違いしてはいけない。客がいなくなったらどこで技術を使うの?って話さ」



多少脚色していますが全体的な内容としてはこんな感じです。
聞いていた時は(感心はしましたが)単なる世間話として考えていましたが、
改めて思い出すと非常に良い事を言っていたなあと感動しました。
これだけ立派な考え方を持っているのです、私が行き付けに決めたのも納得です。
その前の店で嫌な対応をされただけに尚更。

こうした考えは営業の仕事・趣味などにおいても通じると思います。
「自分が何をしたいか」という目的を忘れそのための手段ばかりを磨いてしまうという所が。
よく「目的と手段が逆になる」という言葉がありますが正にそれです。
お金を貰いプロと呼ばれる立場の方は目的達成のために日々努力を重ねています。
しかし、時が経つにつれ努力している事自体に満足していないか?と疑問に感じる時もあります。
もちろん「結果が全て」というシビアな考え方が全てだとは思いません。
それでも、結果を残す事という当初の目的を忘れてしまっては、
その努力も意味が無いものになってしまいます。
挙句の果てには嫌な目にあった床屋のように、
客を蔑ろにするという目的達成の上ではあってはならない事をする事態にも。

確かにこれらは基本的な事ですが多忙な生活の中ですとつい意識をしなくなってしまうものです。
そこで一度立ち止まって「自分の目標はなんなのだろう」と振り返る事が大切なのかもしれません。

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