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ネオジオCD(フロントローディングタイプ)の分解記

  • 2021/05/07 05:32
  • カテゴリー:ゲーム
前置きとして、今回、私はネオジオCD(フロントローディングタイプ)から
システムROM(いわゆるBIOSの事)の吸い出しを試みましたが、それに失敗しました
その失敗の原因は、ICチップを強引に外そうとした際の破損という非常に情けないものです。
吸い出しの『す』の字にさえ到達していません(汗)。


本来でしたら、新しいネオジオCDの本体を購入して吸い出しが完了するまで、日記は書かないつもりでした。
しかし、この事をいつも楽しんでいる配信者の方に伝えた所、

「作業中は誰でもムキになるから失敗は仕方ないです。分解の内容だけでも記事があれば見てみたい」

という旨のお言葉を頂きました。

実はフロントローディングタイプのメイン基板はこちらのサイトで公開されています。
実際、私も上記サイトの情報があったからこそシステムROMの吸い出しをしようと決意しました。
それでも、上記の配信者の方からのご要望もあり、

「これは日記に書かないといけないな」

と感じ、分解の内容だけでも記事にする事にしました。
自分の備忘録も踏まえて。


今回入手したのは、メルカリで購入した『1週間雨ざらしにして放置した』と出品者が語っていた本体。
お値段は送料・手数料込みで\2,100也。
最初は買う事を躊躇しましたが、

「この値段ならチップが読み取れないリスクがあっても買うべきだろう」

と判断し、購入に踏み切りました。
到着後に感じましたが、フロントローディングタイプの本体って非常に大きいのですね。
こりゃ、ヤフオクなどで送料が\1,000以上必要になる訳です。
昔、旧友が持ってきたトップローディングタイプの本体はもう少し小さかった記憶があるのですが。

  

さすがに1週間雨ざらしになっていただけあって外側は非常に汚いです。
と言っても今回の目的は中のICチップのBIOSを吸い出す事。
基板部分が無事でしたら問題はありません。

早速、底面に取り付けられているネジを外しましょう。



ネジ穴が潰れないよう慎重に回していきます。
本体に使われているネジは特殊ネジでは無いので通常のプラスドライバーで外せます。
ただ、ネジ部が本体丸穴の深い位置に取り付けられているため、精密ドライバーでは無理でしょう。
私は家にあったφ2のボールグリップドライバーを使いました。



ネジを全て取り外すと、底面ではなく天面のカバーが外れます。
コネクタのケーブルがあるのでうっかり切断し無いように気を付けましょう。

ここから銀色の金属カバーを外していくのですが、CDドライブに妙なものが。



CDドライブの破損で出品前に取れなかったのでしょうか。
ネオジオCDのソフトが入っていました。
この段階では何のゲームか分からない…と思いきや、CDに刻印されている型番で
何のゲームかを判別する事ができます。
こちらのサイトによると『NGCD-205』はNEO・GEO CD SPECIALである事が分かりました。
う~ん、微妙(笑)。
出品者が放置したのも納得のタイトルです。

ここからは特に難しい作業はありません。
ひたすらネジを取り外していくだけです。



金属カバーに取り付けられていたネジを外した状態です。
残りはCDドライブとCD-ANA-2ボードだけ。
ただ、実際に分解された方なら分かると思いますが、取り外す必要があるネジの量が半端ではありません。
本体の複雑な構造も相まって、

「旧SNKは今後のコストダウンを意識した設計を考えていなかったのだな」

と感じるほどでした。

なお、フロントローディングタイプのメイン基板は1種類だけですが、トップローディングタイプでは
短期間で6つのバージョンが存在しているようです。
MVSの正常なバージョンアップを見るといかに異常なペースであるかが分かります。
一体何があったんだ!旧SNK!

「こういうガバガバな所が旧SNKなんだよな」と思いつつ、各部のコネクタを外してから
残りのネジを取り外していきます。

  

ようやくシステムROM(BIOS)とご対面。
一番左の写真にある赤丸部が目的のICチップです。

さて取り外しましょう、とIC取り外し器で外そうとしましたがビクともしません。
これは裏側も見てみないといけないと思い、残りのネジを全て取り外し、 基板ごと本体のカバーから外しました。



上の写真の赤丸部がシステムROM(BIOSって言えって)の取り付け位置のはんだ部です。
ICチップに1箇所ずつ丁寧にはんだで固定されていました。
さすがに旧SNKもそこまで品質に対する意識は低くなかったようです。
フロントローディングタイプなら本体のカバーさえ外せばチップもそのまま取り外せるだろう。
こう考えていた自分は甘過ぎました。

ちなみにはんだは基板の表面と裏面どちらにも施されています。
確実に取り外すのでしたらヒートガンもしくは工業用ドライヤーは必須でしょう。
もちろん我が家にはそんな便利なものがあるはずもなく。
仕方なくはんだごてと普通のはんだ吸い取り器で作業をしましたがダメでした。
吸い取り器を使う場合は、値段が万単位の精密なものでないと無理だと思います。

今回は作業を諦めて、白光のFV310-81を購入して届くまで待てばよかったのに。
何で無理して作業をしてしまったのでしょうか。
焦って強引にICチップを取り外そうとした結果、チップの端子が樹脂カバーから綺麗に折れてしまい
使い物にならなくなってしまいました。
貴重なデータが入っているチップも読み込めなければ意味がありません。


このタイプの本体の入手困難さは当然分かっていたのですよね!

どうして途中で撤退するという選択肢を採らなかったのですか!

熱くなると周りが見えなくなるのはあなたの悪い癖ですよ!



今回の事に関しては本当に返す言葉がありません。
素直に猛省しています。
急ぎの案件では無いのでチャンスがあったらその時にアタックすればいいのですが、
自分からそのチャンスを手放してしまうのはただただ情けないです。

ムキになると冷静さを失うという性格も何とかしましょうね。
むしろ、そちらの方がネオジオCDをダメにした事よりも問題かもしれません。
歳を重ねて若い頃より冷静になれたかと思っていましたがまだまだでした。
今回は備忘録としてだけではなく、自らへの戒めとして記事を書きました。
払った授業料は高かった(本体の相場的な意味で)ですが今後の糧になるように努力します。

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