サンプル画像を用いた OpticBook 3800Lのレビュー
- 2024/08/15 21:52
- カテゴリー:その他
センサーがCCD方式のスキャナーを入手しました。
Plustekのフラットベッドスキャナー OpticBook 3800Lです。
6月上旬にYahoo!オークションで送料・クーポン使用込みの\16,400で落札しました。
いわゆるブックスキャナーと言われている製品です。
新品ではなく中古品になります。
箱を開けると中身はこんな感じです。
装置はA4サイズまでの対応という事もありコンパクトです。
小さいとは言えませんが置き場所に困る大きさではないでしょう。
付属品は全て揃っていると出品者から説明がありました。
また、使用したのは20冊程度の蔵書をスキャンしただけとの事ですが、実際のスキャン回数は分かりません。
20冊でもページ数が多い書籍でしたら結構な回数になりますし。
なお、スキャン位置の基準は右上の縁ではなく、そのすぐ側にある本のマークです。
このマークから中央に向かう範囲に対してスキャンが行われます。
※右側の画像の赤いラインから左側がスキャンの範囲になります
こちらはユーザーガイドの11ページにも説明されています。
勘違いしやすいので作業を行う際はご注意下さい。
画質は私の言葉で説明するよりも実際のスキャン画像をご覧頂いた方が早いでしょう。
現在我が家で使用しているキヤノンのインクジェット複合機 TS8730と比較してみました。
今回使用したサンプルは、先日の咲-Saki-のキャラクターコンテストの記事でアップロードした
ヤングガンガン 2024 No.15 14ページになります。
解像度は3800LとTS8730共に300dpiです。
そのままでは大きすぎるためスキャン後にサイズを縮小しました。
まずはキヤノンのTS8730の画像から。
おまかせスキャンと写真スキャン、文書スキャンの3パターンで画像を取り込みました。
作業はパソコン上のCanon Scan Utilityから行い、色と解像度、データ以外の設定は初期状態のままです。
続いては3800L。
こちらは細かい設定を行いましたが、言葉で説明するには複雑すぎるため
2パターンのサンプルをお見せします。
ご覧頂いて分かる通り、画質の差は明白です。
この中でもTS8730の写真スキャンは少し酷いですね。
3800Lの鮮やかさとは対称的です。
これがCISセンサーとCCDセンサーの実力差なのでしょうか。
TS8730に関してはほぼ初期状態で取り込んだため、設定の最適化を行なえば
もう少し画質が良くなったかもしれません。
それでも、3800Lと同じレベルの画質にするのは非常に厳しいのではないでしょうか。
3800Lでスキャンしたカラー画像を見た瞬間、私はこの製品を手に入れて本当に良かったと感じました。
こちらの記事以降でアップロードしたスキャン画像は全て3800Lを使用しています。
また、読み取り速度にも違いがあります。
カラーとグレースケール共に3800LはTS8730の半分程度の時間で済みます。
漫画の単行本や専門書など、ページ数が多いものではその差はより大きくなるでしょう。
ただ、この機種にも欠点があります。
それは付属ソフトであるBook Pavilionが使いにくい点です。
設定できる項目が多いため、対象物を良い画質で取り込むには手探りで最適な設定を探さなければいけません。
また、設定を変更する前にはスキャンを行う事が多いため、少し変更するだけでも数十秒程度待たされます。
直感的に使用できるTS8730と比較するとこれはデメリットと言えます。
もちろん「使い物にならない!」と悲観的になるほどではありません。
しっかり設定を行なえば先程の画像のように満足な画質に仕上がります。
お世辞にもユーザーフレンドリーとは言えませんが。
専門的な装置であるとはいえ、この点についてはもう少しPlustekさんに頑張ってほしいです。
OpticBook 3800Lのレビューは以上です。
最初はCCD方式のセンサーの機種で画質が向上するかどうか不安でしたが、
期待していた通りの結果になって良かったです。
今後もこの製品を活用していくようにします。
光学機器の中古品ですのでいつ壊れるかは分かりませんが。
ここから先は私がこの製品を入手するまでの経緯について述べます。
内容は自分語りですので、興味がない方は読み飛ばして頂いても問題ございません。
私が今回この製品を入手したのはどうしてもCCD方式のスキャナーが欲しかったからです。
今年に入ってから同人誌の電子化を始め、当初は複合機 TS8030で作業をしていました。
しかし、スキャンを行ったのは4冊程度ですが、それでもこの機種に対して不満が出てきてしまいます。
(このTS8030は数ヶ月前に壊れてしまい、現在はTS8730を使用しています)
まずはカラースキャンの画質があまり良くない事です。
色々設定を変更しましたが、どう頑張っても鮮やかな色合いになりません。
同人誌でカラースキャンを行うのは表表紙と裏表紙程度ですが気になってしまいます。
また、グレースケールの画質も少し物足りません。
確かにキン肉マンのネタ画像を作成する分には十分な性能です。
ただ、実際に『読む』画像として考えると細かな表現が取り込めず、
のっぺりとした絵になってしまう場合があります。
特に『京太郎が主役』シリーズの奇仙氏(しじま)の画風でそれが顕著でした。
(設定で見られる画質にはなりましたが少し省略された線もあります)
そして、読み取り速度がそれほど速くないのも気になります。
別に複合機としては特別遅い訳ではなく標準的なスピードでしょう。
それでも、1ページごとに30秒から1分近くかかってしまうのはストレスが溜まりました。
1回で成功すればいいのですが当然失敗する時もあります。
同じページを複数回スキャンするのは精神的にも疲れます。
最後に、1回に十数ページをスキャンするのでしたら装置は私のパソコンの近くに置きたいなと。
父も使用する関係上、インクジェット複合機は父のパソコンの近くに設置されています。
そのため、私が装置でスキャンをした後にデータを確認する際は、
複合機と私の部屋を行ったり来たりしなければなりません。
1ページごとにこの作業を行うのは非常に面倒です。
こうした理由から専用のスキャナーを探し始めました。
するとWeb上で
「センサーがCISの製品よりもCCDの物の方がカラーでの画質が良い」
という書き込みが目に入ります。
今回調べて分かったのですが、現在の複合機のスキャナーはCIS方式になります。
以前に使用していたMP810はCCD方式でしたが、小型化やコスト削減のため
最近の複合機では全てCIS方式に置き換わられたようです。
振り返ってみるとMP810は現在主流となっているTSシリーズと比べると2倍くらいのサイズでした。
CIS方式に移ってしまったのは必然だったのでしょう。
現在入手可能なCCD方式の下記になります。
ただ、全て何かしらの欠点があり決め手に欠けます。
1. GT-X830及びGT-X980
まず候補として挙げたのはこちらの機種です。
性能は申し分ありません。
まだ一般流通で販売している点もメリットと言えます。
しかし、肝心のお値段は非常にお高い!
半導体不足などの影響で販売開始時よりも上がっており、これ以上下がる事はありません。
また、この機種の主な用途はフィルムスキャンです。
書籍のスキャナーとして使用するにはオーバースペックと言えます。
レンタルでGT-X830(とCCD方式スキャン)の実力を確認するという選択肢もありましたが、
お試しで\5,000強を払うのは腰が引けます。
2. OpticBook 3800L, 4800, 4900
次に見つけたのはこちらです。
公式サイトでも『書籍・蔵書スキャナ』の製品に区分されています。
今回の私の目的に合致しています。
ただ、Amazonのカスタマーレビューを見ると「付属ソフトが使いにくい」という声が。
こちらも決して安い製品とは言えないだけに躊躇します。
3. CCDセンサーを搭載した古い複合機
一番安く済ませるならこれです。
種類も豊富ですし、Yahoo!オークションやメルカリなどで中古品を探せば入手可能でしょう。
といってもCCDセンサーを使用している複合機は10年以上も前の製品です。
こちらの知恵袋の書き込みによると、最後に発売された機種はキヤノンのMG8230との事でした。
そもそも私が使用していたMP830は2007年に購入し2017年頃に壊れました。
動作品がどれだけ現存しているのかは甚だ疑問です。
経年劣化した製品であるため、仮に動作確認時に正常であっても短期間で使用不可になる可能性は高いでしょう。
こうして悩んでいる中、ヤフオクのとある出品が目に入ります。
それが今回落札したOpticBook 3800Lでした。
「\15,000なら失敗しても傷は浅い。これにしよう」
と決断し終了時刻の20秒前に入札、そのまま落札しました。
仕様が独特であるため動作確認に時間がかかりましたが、何も不具合が発生せず良かったです。
前述の通り性能には満足しています。
この機種のおかげで同人誌や漫画の単行本の電子化がスムーズに行えました。
それにしても、まさか私の父が『自炊』というスラングを知っていたなんて。
3800Lが届いた際、父から、
「自炊でもするの?」
と言われました。
その時は適当にお茶を濁しましたが図星です。
実際には記事で取り上げる画像を作成する際にも使用するので全てがその通りという訳ではありませんが。
さすがお父上、下手な隠し事はできません(爆)。
Plustekのフラットベッドスキャナー OpticBook 3800Lです。
6月上旬にYahoo!オークションで送料・クーポン使用込みの\16,400で落札しました。
いわゆるブックスキャナーと言われている製品です。
新品ではなく中古品になります。
箱を開けると中身はこんな感じです。
装置はA4サイズまでの対応という事もありコンパクトです。
小さいとは言えませんが置き場所に困る大きさではないでしょう。
付属品は全て揃っていると出品者から説明がありました。
また、使用したのは20冊程度の蔵書をスキャンしただけとの事ですが、実際のスキャン回数は分かりません。
20冊でもページ数が多い書籍でしたら結構な回数になりますし。
なお、スキャン位置の基準は右上の縁ではなく、そのすぐ側にある本のマークです。
このマークから中央に向かう範囲に対してスキャンが行われます。
※右側の画像の赤いラインから左側がスキャンの範囲になります
こちらはユーザーガイドの11ページにも説明されています。
勘違いしやすいので作業を行う際はご注意下さい。
画質は私の言葉で説明するよりも実際のスキャン画像をご覧頂いた方が早いでしょう。
現在我が家で使用しているキヤノンのインクジェット複合機 TS8730と比較してみました。
今回使用したサンプルは、先日の咲-Saki-のキャラクターコンテストの記事でアップロードした
ヤングガンガン 2024 No.15 14ページになります。
解像度は3800LとTS8730共に300dpiです。
そのままでは大きすぎるためスキャン後にサイズを縮小しました。
まずはキヤノンのTS8730の画像から。
おまかせスキャンと写真スキャン、文書スキャンの3パターンで画像を取り込みました。
作業はパソコン上のCanon Scan Utilityから行い、色と解像度、データ以外の設定は初期状態のままです。
おまかせスキャン | |
写真スキャン | |
画像スキャン |
続いては3800L。
こちらは細かい設定を行いましたが、言葉で説明するには複雑すぎるため
2パターンのサンプルをお見せします。
3800Lサンプル その1 | |
3800Lサンプル その2 |
ご覧頂いて分かる通り、画質の差は明白です。
この中でもTS8730の写真スキャンは少し酷いですね。
3800Lの鮮やかさとは対称的です。
これがCISセンサーとCCDセンサーの実力差なのでしょうか。
TS8730に関してはほぼ初期状態で取り込んだため、設定の最適化を行なえば
もう少し画質が良くなったかもしれません。
それでも、3800Lと同じレベルの画質にするのは非常に厳しいのではないでしょうか。
3800Lでスキャンしたカラー画像を見た瞬間、私はこの製品を手に入れて本当に良かったと感じました。
こちらの記事以降でアップロードしたスキャン画像は全て3800Lを使用しています。
また、読み取り速度にも違いがあります。
カラーとグレースケール共に3800LはTS8730の半分程度の時間で済みます。
漫画の単行本や専門書など、ページ数が多いものではその差はより大きくなるでしょう。
ただ、この機種にも欠点があります。
それは付属ソフトであるBook Pavilionが使いにくい点です。
設定できる項目が多いため、対象物を良い画質で取り込むには手探りで最適な設定を探さなければいけません。
また、設定を変更する前にはスキャンを行う事が多いため、少し変更するだけでも数十秒程度待たされます。
直感的に使用できるTS8730と比較するとこれはデメリットと言えます。
もちろん「使い物にならない!」と悲観的になるほどではありません。
しっかり設定を行なえば先程の画像のように満足な画質に仕上がります。
お世辞にもユーザーフレンドリーとは言えませんが。
専門的な装置であるとはいえ、この点についてはもう少しPlustekさんに頑張ってほしいです。
OpticBook 3800Lのレビューは以上です。
最初はCCD方式のセンサーの機種で画質が向上するかどうか不安でしたが、
期待していた通りの結果になって良かったです。
今後もこの製品を活用していくようにします。
光学機器の中古品ですのでいつ壊れるかは分かりませんが。
ここから先は私がこの製品を入手するまでの経緯について述べます。
内容は自分語りですので、興味がない方は読み飛ばして頂いても問題ございません。
私が今回この製品を入手したのはどうしてもCCD方式のスキャナーが欲しかったからです。
今年に入ってから同人誌の電子化を始め、当初は複合機 TS8030で作業をしていました。
しかし、スキャンを行ったのは4冊程度ですが、それでもこの機種に対して不満が出てきてしまいます。
(このTS8030は数ヶ月前に壊れてしまい、現在はTS8730を使用しています)
まずはカラースキャンの画質があまり良くない事です。
色々設定を変更しましたが、どう頑張っても鮮やかな色合いになりません。
同人誌でカラースキャンを行うのは表表紙と裏表紙程度ですが気になってしまいます。
また、グレースケールの画質も少し物足りません。
確かにキン肉マンのネタ画像を作成する分には十分な性能です。
ただ、実際に『読む』画像として考えると細かな表現が取り込めず、
のっぺりとした絵になってしまう場合があります。
特に『京太郎が主役』シリーズの奇仙氏(しじま)の画風でそれが顕著でした。
(設定で見られる画質にはなりましたが少し省略された線もあります)
そして、読み取り速度がそれほど速くないのも気になります。
別に複合機としては特別遅い訳ではなく標準的なスピードでしょう。
それでも、1ページごとに30秒から1分近くかかってしまうのはストレスが溜まりました。
1回で成功すればいいのですが当然失敗する時もあります。
同じページを複数回スキャンするのは精神的にも疲れます。
最後に、1回に十数ページをスキャンするのでしたら装置は私のパソコンの近くに置きたいなと。
父も使用する関係上、インクジェット複合機は父のパソコンの近くに設置されています。
そのため、私が装置でスキャンをした後にデータを確認する際は、
複合機と私の部屋を行ったり来たりしなければなりません。
1ページごとにこの作業を行うのは非常に面倒です。
こうした理由から専用のスキャナーを探し始めました。
するとWeb上で
「センサーがCISの製品よりもCCDの物の方がカラーでの画質が良い」
という書き込みが目に入ります。
今回調べて分かったのですが、現在の複合機のスキャナーはCIS方式になります。
以前に使用していたMP810はCCD方式でしたが、小型化やコスト削減のため
最近の複合機では全てCIS方式に置き換わられたようです。
振り返ってみるとMP810は現在主流となっているTSシリーズと比べると2倍くらいのサイズでした。
CIS方式に移ってしまったのは必然だったのでしょう。
現在入手可能なCCD方式の下記になります。
ただ、全て何かしらの欠点があり決め手に欠けます。
1. GT-X830及びGT-X980
まず候補として挙げたのはこちらの機種です。
性能は申し分ありません。
まだ一般流通で販売している点もメリットと言えます。
しかし、肝心のお値段は非常にお高い!
半導体不足などの影響で販売開始時よりも上がっており、これ以上下がる事はありません。
また、この機種の主な用途はフィルムスキャンです。
書籍のスキャナーとして使用するにはオーバースペックと言えます。
レンタルでGT-X830(とCCD方式スキャン)の実力を確認するという選択肢もありましたが、
お試しで\5,000強を払うのは腰が引けます。
2. OpticBook 3800L, 4800, 4900
次に見つけたのはこちらです。
公式サイトでも『書籍・蔵書スキャナ』の製品に区分されています。
今回の私の目的に合致しています。
ただ、Amazonのカスタマーレビューを見ると「付属ソフトが使いにくい」という声が。
こちらも決して安い製品とは言えないだけに躊躇します。
3. CCDセンサーを搭載した古い複合機
一番安く済ませるならこれです。
種類も豊富ですし、Yahoo!オークションやメルカリなどで中古品を探せば入手可能でしょう。
といってもCCDセンサーを使用している複合機は10年以上も前の製品です。
こちらの知恵袋の書き込みによると、最後に発売された機種はキヤノンのMG8230との事でした。
そもそも私が使用していたMP830は2007年に購入し2017年頃に壊れました。
動作品がどれだけ現存しているのかは甚だ疑問です。
経年劣化した製品であるため、仮に動作確認時に正常であっても短期間で使用不可になる可能性は高いでしょう。
こうして悩んでいる中、ヤフオクのとある出品が目に入ります。
それが今回落札したOpticBook 3800Lでした。
「\15,000なら失敗しても傷は浅い。これにしよう」
と決断し終了時刻の20秒前に入札、そのまま落札しました。
仕様が独特であるため動作確認に時間がかかりましたが、何も不具合が発生せず良かったです。
前述の通り性能には満足しています。
この機種のおかげで同人誌や漫画の単行本の電子化がスムーズに行えました。
それにしても、まさか私の父が『自炊』というスラングを知っていたなんて。
3800Lが届いた際、父から、
「自炊でもするの?」
と言われました。
その時は適当にお茶を濁しましたが図星です。
実際には記事で取り上げる画像を作成する際にも使用するので全てがその通りという訳ではありませんが。
さすがお父上、下手な隠し事はできません(爆)。