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中国製ゲームから学ぶ外国出版物の寄贈

1ヶ月ぶりの国会図書館への寄贈の記事です。
しかし、今回は番外編という事で少し変わったものを納品しました。
寄贈しようとしたものはこちらです。


  


超有名な中国製オンラインゲームである原神オンラインコンサートグッズセット
アニメイトで事前に予約し\7,700(送料無料)で購入しました。
画像では分かりにくいですが結構な大きさがあります。
私もここまで大きいとは思っていなかったので、商品が到着した時は少し驚きました。

正直に申し上げますと、私は原神というゲームをプレーしていません。
このゲームを知ったのもPixivでの画像検索でした。
面白そうだと思いましたが、ガチャがキャラと武器で分かれているという仕様であると知った時に
「これは私にはついていけそうもない」と感じてしまい及び腰になっています。
キャラもガチャで7回当てないと最高まで限界突破ができないという所からも
自分では無理なゲームであると感じました。
ロマサガRSでしたらゴールドピースを600枚使えばすぐに限界の状態にできるのに。
(もちろん装備や他のスタイルやキャラの有無、聖石なども重要ですが)

ただ、キャラと雰囲気は良いなと感じており、グッズセットの販売が発表された時も、

「これを国会図書館へ寄贈したらネタ的に面白そうかも」

という理由で予約しました(汗)。
価格も1万円札でお釣りが来る程度でしたのでお財布にも優しいです。


予約して約半年後、遂にこのオンラインコンサート グッズセットが到着。
早速、国会図書館へ寄贈のリストを送ったのですが…




意訳:窓口からして違うぞ。資料収集方針書をよく読めや!

上記のようなメールが届き寄贈を断られてしまいました。
アニメイトで購入したので気が付きませんでしたが、よくよく考えてみると、
今回のグッズセットは中国の資料で外国出版物として扱われます。
今までのように国内資料課に送ってしまったため、担当部署が違う旨の連絡が電話で直接入ってしまいました。

そして、改めてこちらのページにアップロードされている資料収集方針書を読んでみると、



※資料収集方針書 11, 12ページより引用

しっかりと『外国の資料ではパッケージ系の録音資料は収集しない』と記載されております。

ああ、自分の勉強不足が原因とはいえ、せっかく予約までして購入した
コンサートグッズセットが寄贈できないなんて。
この日記を書いている今も未開封のまま、エアパッキンまでした状態で眠っています。
転売するのも嫌なので、どなたか価値が分かる方にお渡ししたいですが
そのような方は予約して既に入手されていらっしゃいますよね。


ここで引き下がれば良かったのですが、私は何をムキになったのか、

「じゃあ、中国製の図書なら大丈夫なんだよな!」

と逆ギレし、他に中国製の原神関係の資料で何か寄贈できるものが無いか探し始めました。
そうして目星をつけたのは『原神 Genshin 紀念插畫集.Vol.1』。
Amazonでも\6,000強と手頃な価格で販売されていたので寄贈する事を決めました。
余談ですが、現地での定価は156元で\3,000強(2022年4月30日のレート)。
個人輸入時と比べると倍近い価格になりますが、送料や諸々の手続き、
個人情報を伝えるリスクなどを考えると妥当でしょう。

上記の点よりむしろ天猫(タオバオ)が中国語しか対応していない(ですよね?)事が一番の難点です。
AliExpressレベルに購入しやすければ個人情報を登録してもいいのですが。
実際、私は1度AliExpressから電子機器を購入した事があります。
同じアリババグループなんだからなんとかしてくれ~い。
客層が違うと言われればそれまでですが欲しい物は欲しいのです。

さて、ルール上は問題ないとは思いますが、こちらも登録が不可である可能性があります。
そのため、まずは寄贈申出資料リストを添付したメールを外国資料課の国際交換係に送り、
登録可能であると返信が来たら商品を購入する流れにします。

こうしてメールを送ってから3日が経過。
いつもでしたら1日で返信が来るのですが今回はなかなか登録可否の連絡が届きません。
我慢できなくなり進捗確認のメールを入れてみると、




意訳:最近はなぜか中国の資料の数が多くなっているし、受け入れ判断も時間がかかっている。気長に待てや!

このようなメールが返ってきました。
これには私も非常に恥ずかしくなり、また申し訳ない気持ちになりました。
まさか国内資料と海外資料ではここまで事情が違うなんて。
企画を立てた時には考えすらしませんでした。


そして、上記のメールが届いた1営業日後、登録可能である旨の連絡が入りました。
早速、AmazonのKaniHobby販売さんから画集を注文する事に。
中国製品という事で、事前に失礼を承知で「海賊版(偽物)ではありませんよね?」と
質問を入れたほど念を入れました。

ですが、注文してから1週間が経ちましたが一向に発送の連絡が入りません。
「まさか商品が無いのでは?」と不安になって確認した所、

KaniHobby販売さん「通関上の理由からAmazon倉庫への到着が遅れていました。今日発送します」

えっ、日本に在庫があったのではなかったのですか?
『残り〇点』と記載されていたので、てっきり日本のAmazonからすぐに発送されるものだと思っていました。

色々ありましたが、ようやく原神の画集が到着しました。
梱包形態は忘れてしまいましたが確かダンボール袋だったはずです。
中身はこのような感じになっていました。

  

商品自体にはエアキャップで包まれていません。
その代わり、厚いビニールで何重にも覆われていました。
一番右側の写真では矢印の模様がある箇所がありますが、ここからめくろうとしても剥がせません。
商品を傷つけないようハサミでめくる箇所を作って慎重に剥がしました。
これでしたらエアキャップで包んだ方が梱包側もよっぽど楽なのではないでしょうか。
手を抜いている訳ではなく、むしろ気合いを入れているように感じましたので
中国の方の梱包への意識がよく分かりません。

ビニールを剥がした後の状態はこのような感じでした。

 

写真では分からないと思いますが、書籍はプラスチックのケースに入れられている形になっており、
そのケースには擦り傷が結構付いていました。
これは海外からの発送という事情もあるので仕方ないでしょう。
綺麗な状態を求める方には酷ではありますが割り切るしかありません。
Amazonのレビューにあるような『ケースが粉々になっていた』という状態ではなかっただけマシだと思います。
KaniHobby販売さんにもこの件について質問し「破損している場合はしっかり対応します」と回答がありました。

未開封の状態ですと刻晴の缶バッジとタルタリヤの色紙の存在は確認できました。
ただ、PVC紀念カードはこの状態ではどこにあるのか分かりません。
入っていないとは思わないので、色紙の裏に隠れているか、もしくはどこかのページに挟まっているのでしょう。
缶バッジが凹んでいたというレビューもありましたが、私がパッと見で確認した範囲では
異常は見られませんでした。
細かくチェックしていなかったので、もしかしたら小さな傷や凹みがあったかもしれませんが(汗)。


検品が終わったので寄贈の準備に取り掛かろうと思いましたが、ここで気になる事が。
Twitterなどでの購入報告や、メルカリなどでの出品では右側の写真の赤枠の箇所に
『紀念插畫集.Vol.1、©miHoYo』と記載されたバーコードが付いています。

「99%本物だと信じているけど、もしかしたら偽物?」と再び不安になってしまい、
たまらずKaniHobby販売さんへ連絡を入れました。
すると、

「弊社が『天闻角川』(KADOKAWAの中国法人)から直接仕入れた正規品ですのでご安心下さい。
 メーカーに確認しましたが、赤枠には販売者によって自社識別用のバーコードシールが
 貼られている可能性があります。公式の製品識別シールは右側のものです」

という返信が。
実際、アニメイトで購入された方(時期的に推測)の画集の写真でもバーコードは右側だけでした。
私が購入した商品は正規品に間違いありません。

TwitterでもKaniHobby販売さんの評判を調べました。
それによると、今回のような書籍やフィギュアでしたら問題なさそうです。
真贋が分かりにくいぬいぐるみは少し危ないかもしれませんが。
最後まで丁寧に対応して頂きありがとうございました。


ここに至るまで多くの方々にご迷惑をお掛けしてしまいました。
思い出すだけでも恥ずかしさと申し訳なさで一杯です。
ほぼ全ての事が初めてであったとはいえ、何度も確認・催促のメールを送ってしまい酷かったですね。

様々な方々を巻き込んでしまいましたが、これでようやく発送準備に取り掛かれます。



日本国で保管する大切な資料です。
さすがにダンボール袋とビニールでの梱包では送りません(爆)。
画集をエアキャップに包んでダンボールでしっかり発送します。

そして国会図書館へ資料を送った数日後、家に帰ると国会図書館からのお礼状が届いていました。



ちなみに私の発送日は3/21(月)の午前中です。
あれだけ忙しい素振りを見せていたのに対応が早すぎる(笑)。
登録する資料の数の影響もあると思いますが、通常でしたらお礼状が届くまで3~4週間かかります。
外国資料課の方は仕事が早いのでしょうか、よく分かりません。
お礼状のレイアウトも国内出版物の際と違いますね。

なお、お礼状の到着から1ヶ月以上経過している事もあり、資料自体も既に登録済の状態になっています。



タイトルは『原神 紀念插畫集』ではなく『原神插画集』となっています。
それでも、タイトル名を『原神』と入力して検索すれば出てくるので見つけられないという問題は無いでしょう。
気を付けなければいけないのは、保管場所がいつもの東京本館ではなく関西館である事。
どうやら中国の資料は関西館に送られるようです。
F県に住んでいる私ですと寄贈した資料をこの目で確かめるのは大変手間がかかりますね。



以上、原神を通しての外国出版物の寄贈に関するレポートでした。
最初は軽い気持ちで始めましたがここまで手間がかかってしまうなんて。
分からなかった事も多く勉強になる事が非常に多かったです。
また、前述の通り、私自身の至らなさから今回は多くの方々にご迷惑及びご心配をお掛けしてしまいました。
この点については本当に猛省しています。
次回外国出版物を寄贈する際は十分気を付けるようにします。

原神に限らず、アズールレーンアークナイツ雀魂などに関する資料の寄贈を検討されている方々。
資料自体が中国産になると一筋縄ではいかなくなるので気を付けましょう!
「そんな奴いねーよ」というツッコミ、ごもっともです。
とりあえず、このような問題があったという事をネットの片隅に残しておきます。
ご覧頂く方がどれほどいらっしゃるかは分かりませんが(汗)。

話を蒸し返してしまいますが、残されたオンラインコンサート グッズセットはどうしましょう。
大切に扱って頂ける方に無償でお渡ししたいですがそれは難しそうです。
役に立つ時がやってくる事を信じてひとまず物置にしまっておきます。



Vol.2の画集も寄贈を行いました

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