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醜くも美しいこの世界で

  • 2010/02/06 00:02
  • カテゴリー:日記
夕方、現場から通い箱を引き取る簡単なお仕事を終え営業所へ帰る。
作業着からスーツへ着替え、先輩上司と共に仲良く帰宅。
そして駅に到着し、改札口でいつも通り定期入れを出そうとしましたが、

「あれっ、定期入れがない!」

定期入れの中にはSuicaの他に免許証と保険証も入っています。
無くしてしまったら一大事です。
去年の夏に盗難で大変な目に遭いましたが、またこんな騒動になるとは。


自分が最後に記憶していたのは、
現場への運転のためにスーツから定期入れを取り出した所まででした。
そのため、最初は「洗濯のために持ち帰った作業着の中にあるだろう」と高をくくる。
そこで見つからないと、「営業所か運転した車の中にあるだろう」とまた高をくくる。
そして、営業所に戻り徹底的に調べ、それでも見つからなかった途端焦り始めました。

とにかくない。
自分の歩いた所は全て探しましたが、やはりない。
先輩にも協力して頂きましたが、ないものはない。
帰りに給油したガソリンスタンドに電話してもそんなものは落ちていない。

寒空の中2時間以上探し、完全に諦めムードに入りました。
そんな中で、カードの再発行の手順を考え始めるともう末期ですね。
Suicaはみどりの窓口で申し込めばすぐにできますし、
保険証も総務に泣きつけばどうにでもなるでしょう。
問題は免許証です。
平日にしか申し込めないのでどうしても有給休暇を取る必要があります。
ただ、前にも同じ理由で休んだのと、
所長が社内会議前でピリピリしているので頼みづらい。
結構怒られるのだろうと思うと憂鬱です。


ギリギリの精神状態の中やけになったのか、
遂に現場近くの警察署へ連絡するという手段に乗り出しました。
わざわざ交番へ届ける奇特な奴なんていないと思い諦め半分で携帯電話をかける。
電話が繋がり、自分の名字と落とした定期入れの特徴を伝える。
すると間髪入れずに、

「N党・・・N党K.Fさんですね」

なんと担当の女性の方は、名乗ってもいないのに私の名前を口にする。
そして、確認のため約3分程待った後、警察署に保管されていると連絡を受けました。
ただ、この警察署まではかなり距離がある上に、
身分証明物(と言っても年金手帳しかない)を家まで取りに行かなければならないため、
取りに行くのは明日になると伝えました。
終わり際に「『本当に』ありがとうございました」とお礼の言葉を口にし電話を切る。  


警察署に定期入れが届けられているという話を聞いた時、私は嬉しかったです。
定期入れが見つかった事もそうですが、この東京で落とし物を交番に届けてくれた親切な人がいた事に。
確かに、社会には様々な人がいます。
人の家に忍び込み財布を盗む悪い人もいます。
でも、見知らぬ人に善意をかけてくれる人もいます。
私が達観するのはまだまだ早いです。
醜くも美しいこの世界で生きていける喜びを噛み締めていきます。
そして、それを素晴らしい事であると思いながら。

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